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3次元グリッドモデルの入力データの影響について

中央開発(株)

王寺 秀介  大西 徹夫  

 <概 要>

3次元グリッドモデルとは,①ボーリングデータを用いて地表面と地層境界の面モデルを作成し,②それらを制約条件とした作成する地盤モデルである。(※木村克己・花島祐樹・大井昌弘(2017)ボーリングデータに基づく三次元グリッドモデル構築手法:東京低地への適用.第52回地盤工学研究発表会論文 集, 257-258.)この地盤モデルを構築する際に,ボーリングデータ数および地層境界面(制約条件)が与える影響について考察した事例を報告する。

3次元グリッドモデル構築手法の流れ

□3次元グリッドモデル構築手法の手順は,前処理と3次元モデル作成の2段階からなる。

□前処理では,対象地域におけるボーリングデータを入手し,モデル作成に必要なボーリングデータの整備・品質確認し,地層境界面の設定,さらに地層境界面モデルの地形・地質に関するコントロールポイントの作成を行う。この前処理は3次元モデルの成果(品質)に大きく関係する。

□3次元モデル作成は用意されたプログラム(防災科研提供(木村ほか,2016))を用いる。以下,プログラム処理を示す。

1.ボーリングデータからの土質・ N値・地層データの抽出し,ボーリング柱状図が深度1m間隔の土質とN値,地層名の空間

  データに変換される。 

2.地層境界面モデル作成ではBS-Horizon プログラムを用いる。ただし,地層境界面モデルは他の手法で作成してもよい。 

3.3次元グリッドモデル作成では,グリッド計算処理条件(データ選択)の設定,グリッド補間結果を用いた水平垂直補間

  処理,グリッド計算処理における条件の設定を行う。各グリッドノードの土質は,参照データの中での最頻値として求める。

  N 値は逆距離加重法(IDW) で計算し,0 ~ 50 の連続変数として求める 。

中央開発_図1.png

ボーリングデータ数の影響について

□ボーリングデータ数の影響を評価するために,ボーリングデータをランダムに間引き(8分の1)した。
□ボーリングデータを少なくした場合でも,土質,N値とも概ね同等に推定できていることが確認できた。
□ボーリングデータをある程度の密度で収集することが前提であるが,ボーリングデータ数が多くなくても本手法の適用性は高いこと

 が確認できた。

中央開発_図2.png

モデル化の対象範囲

中央開発_図3.png

地層境界面(制約条件)の影響について

□沖積層基底面を制約条件とした場合
N値5以下の泥やN値10から30程度の砂からなる沖積層の分布,埋没河成段丘や本・支谷底などの開析谷地形などが明瞭に識別できた。

□沖積層基底面モデルを制約条件しない場合
沖積層の砂体の形状や沖積/洪積境界の概略的な傾向は読み取ることができるが,本・支谷底などの開析谷地形などは明瞭に識別できない。

中央開発_図4.png

モデル化の対象範囲

中央開発_図5.png
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