top of page

8. 作業計画

8.7 アルゴリズム選定

Point.7 地質事象に適したアルゴリズムを選定する

全ての地質事象を一つの空間補間法で再現することは困難です。様々な空間補間法の特性を考慮し、地質事象毎に適した手法を選定する必要があります。

Fig080701.png

図8.7-1 空間補間アルゴリズムの適用例(引用:1)

■アルゴリズム選定の観点
地形面は数値標高データや測量点など比較的データ密度の高い点データが得られる場合が多いため、自然近傍法やTIN(不整三角網補間)といった実測データから逸脱しない線形補間による内挿が用いられます。不整三角網の出力データは三角メッシュになります。
 一方、ボーリング孔データから得られる地質境界面は、データ密度の低い点データや不均一なデータから滑らかな曲線を作ることが求められるため、最小曲率法やクリギング法、スプライン曲線を適用した補間が適しています。補間計算の出力データは、グリッドモデル(等間隔格子のXYZデータ)が用いられることが多いです。
 自然近傍法やTIN、逆距離加重法は、データ密度の低い地質情報の空間補間には適しません。クリギング法を適用する場合は、バリオグラムの設定の際に地層の空間相関性やデータの異方性に関する地質学的な理解が必要となります。

 スプライン法は、正確に制御点を通過するものとしないものがあります。一般的なスプライン法では、制御点を移動した場合、曲面全体が影響を受けるので曲面の設定が難しくなる傾向があります。一方、B-スプライン法では、特定の制御点を移動した場合でも、影響を受ける範囲は制御点の近傍に限定され曲面の調整は容易になります。
 オーバーハングした形状のサーフェスの場合は、グリッドモデルとして計算すること自体が困難であり、複数のグリッドモデルを接合して表現する必要があります。そのため、接合部が不自然な形状になりやすくなります。一連の滑らかな曲面として作成するには、NURBS法による曲線補間を適用することが可能です。 
 「10.1 アルゴリズムの利用方法」も参考に、地質事象に適したアルゴリズムを選定してください。

 

bottom of page