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5. 照査

5.3 細部条件の照査

Point.3 3次元地質・地盤モデルを検査するには地盤情報の質と量、および、不確実性に留意する

3次元地質・地盤モデルは、その基となるボーリングデータ等の地盤情報の粗密、土質地質区分の統一性、原位置試験・観測データ等の基礎的なデータがどれだけ得られていて、どの程度精査を行い統一的な評価を行われているかに、モデルの精度や信頼性が左右されます。

Fig050301.png

図5.3-1 3次元地質・地盤モデルの不確実性を示す例(引用:1)

■地盤情報の質と量の不均質性への留意
3次元地質・地盤モデルが何を目的に作成されていて、地盤情報の何の項目を、どの範囲で、どのくらいの精度で把握されているのかを理解しておかないと、要求に見合わない「活用」をしてしまう恐れがあります。
 岩盤中における断層破砕帯などの位置や性状の評価を行う調査と、均質に地層が堆積・分布しているようなところでは、必要とされる調査の密度・精度・調査内容は異なります。また、地盤は不均質性を持つため、単位面積あたり同じ密度で調査すれば単純に精度が担保されるようなものではありません。
 従って、モデルの信頼性をチェックするには、地盤情報(地質調査データ)の質と量を把握し、そのモデルがどのような目的で作成されたかに留意する必要があります。

■不確実性に留意した表現
3次元地質・地盤モデルを構築するために必要な最低限の地盤情報、あるいは利用目的に応じた調査の密度等は規定されていません。従来であれば地質技術者が「推定」していた部分も3次元だとそれらしく可視化されるため、「不確実性」が伝わりにくくなります。
 そのため、2次元の図面であれば、「不確実性」が大きい部分は色を変える(塗りの濃淡)、線種を変える(実線と破線、太線と細線等)など工夫されています。3次元の場合も「不確実性」を表現するための工夫が必要です。
 3次元化する際に用いたボーリング地点が離れている場合などはその精度の担保は非常に困難です。「ボーリングデータがない」ことを示すためにも、専用ソフトウェアは、モデル作成に用いた地盤情報を3次元地質・地盤モデルにリンクする情報として扱い、いつでも確認できる状態にしておくことが必要と考えられます。
 

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