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5. 照査

5.2 基本条件の照査

Point.2 3次元地質・地盤モデルの信頼性向上には一次データの品質に留意する

3次元地質・地盤モデルの品質は入力データの品質に依存します。入力データの品質を確保するために地質踏査データの妥当性や整合性を確認する必要があります。また、3次元地質・地盤モデル作成においても、客観的なデータを優先的に使用します。

表5.2-1 地質調査データの品質チェクの着目点(案)(引用:1)

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■地質調査データの品質管理の着目点
3次元地質・地盤モデルを作成するための入力データとなる地質調査データには、紙図面をスキャニングした画像(ラスタ)やCAD図面、数値データ、ボーリングデータ等があります。入力データの品質チェックを行うには、データそれぞれが持つ限界や問題点を知っておく必要があります。
 例えば、ラスタ図面はスキャナでデータ化されたものであれば、紙図面の質的な問題をそのまま継承し、さらにスキャナが持つ機械的な誤差が加わることになります。ラスタ図面は、紙図面であったときの繊維方向による伸び、作図時の線の太さ、スキャニング時の読み取り方向、スキャナの機械的な誤差等、様々な要因が累積した結果となります。
 CAD図面についても、縮尺(尺度)は幾つか、精度(デジタイズ誤差)は十分か、余計なデータは含まれていないか、線分の種類(ライン・ポリライン・スプライン)は適正か等、チェック項目は多岐にわたる。平面図においては、地理座標の基準となるもの(グリッド線、座標値)が図面上に示されていないと、正確な位置合わせが困難になります。
 3次元地質・地盤モデル作成に用いる地質図面の品質基準は定められていないため、品質チェックの着目点について、GISデータの品質基準に用いられるJSGI8)を参考に表5.2-1にまとめました。この様な視点により地質調査データの品質をチェックすることを推奨することが望ましいと考えられます。

■地質調査データの優先順位
3次元地質・地盤モデル作成には、客観的なデータを優先的に用います。3次元地質・地盤モデル作成に用いる地質調査データには、例えば①ボーリングデータ、②ルートマップ、③地質平面図、④地質等高線図、⑤地質断面図、があります。

 客観性の観点からこれらの情報に優先順位を付けるとすれば、「①>②>③≧④>⑤」のような序列が考えられます。

すなわち、ボーリングデータやルートマップの情報を、境界面補間計算に優先的に用いることを基本とします。
 地質平面図、地質等高線図は、既に地質技術者の3次元的考察による図面であるため、客観的・主観的な要素を分離することが困難となります。地質断面図も地質技術者の解釈に基づく図面であるために、優先順位は低くなります。

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