3次元地形データ取得方法に関する最新動向

 <概 要>

3次元地形データ取得方法の最新技術として、ALB(航空レーザ測深機)およびMMS(モビールマッピングシステム)に関して紹介する。あわせて、レーザ計測におけるデータ処理の最新動向として、計測データの深層学習によるフィルタリングを紹介する。

1.ALB : 航空レーザ測深機

  • ALB(Airborne Laser Bathymetry:航空レーザ測深機) は、海域および河川において、広域かつ面的に水面下の地形データが取得可能

  • 測量船が進入できない浅瀬や岩礁エリアの水中地形を上空から計測可能

  • ALB は、陸上部と水面を計測する近赤外レーザ(波長1,064nm)と水中部を計測する緑色レーザ(波長532nm) を同時に照射し、 水面で反射するパルスの往復時間と、水を透過し水底で反射するパルスの往復時間差から水深を算出して、陸上部と同時に水中部の3次元座標を計測

  • 同時に高解像度デジタル航空カメラでの撮影も行うため、3次元情報と共に、フルカラーおよび近赤外画像データも取得

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【計測事例】

  • ALBを使用して河川を横断する橋梁の橋脚部の洗掘状況を調査

  • 音響測深機による深浅測量の測量結果との比較検証の結果、標高較差の標準偏差は3.7cm

  • ALBは深浅測量と同程度の精度であることが判明

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(本内容はSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)の成果を使用しています)

2.MMS : モビールマッピングシステム

  • MMS (モービルマッピングシステム)は前方(+後方)上下2段のレーザスキャナ(2~4台)、デジタルカメラ(2~6台)で「3D点群データ」と「デジタル画像」を取得。カラー3D点群データとしても表示可能 

  • GPS(3台)・IMU・オドメトリの複合解析による高精度な測位/位置・姿勢を計算

  • FKP(面補正パラメータ)方式によるGPS補正、IMUによる角度および加速度データ、オドメトリ(車輪の回転による距離計)による移動距離を同時調整して、位置・姿勢を正確に計算

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  • MMS用数値図化システム(PADMS-Solid:Pasco Digital Mapping System-Solid Model)を使用

  • MMSが取得したレーザ点群データを用いて,2次元の道路台帳図データやカーブミラー,標識などの施設関連データに高さ情報を付与することにより,地上空間の3次元データ化

  • 2次元のマンホールの施設データから地下埋設物の3次元化の基準となる位置を決定し、施設データが持つ属性値(種別,口径,管底高等)を組み合わせることで,施設の地下空間モデルを再現

  • MMS用数値図化システムにより,2次元の地図情報と3次元の道路空間情報を一元的に視認することが可能となるよう,位置情報や空間的な視点を連携

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(今西暁久・丹治直人・岡本竜郎・幸場喜郎・西村修・宮辻和宏 (2018) MMSデータを活用した三次元道路管理手法の検討,応用測量論文集,29)

3.深層学習手法による航空機レーザデータのフィルタリング

  • 航空レーザ測量は、航空機に搭載したレーザ測距儀とGNSS/IMUを利用して、広範囲の地表面形状を点群データとして取得する技術

  • 地物と地表面を分類する「フィルタリング」の工程で、従来の「ルールによる自動処理+マニュアル修正」の代替手法として、「深層学習による自動分類手法」を適用

  • 注目点と周囲の点との位置関係をボクセル占有グリッドで表し、CNNによる学習の入力とする。

  • 実データに適用した結果、概ね良好に分類された。全体の識別率(正しく分類された点数/全点数)は95%以上

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CNNの構成

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(四俣徹・佐藤俊明・坂元光輝(2018)航空レーザ点群のフィルタリングへの深層学習の適用,日本写真測量学会平成30年度秋季学術講演会講演要旨集)