9. データ品質管理
9.1 地形データの品質確認
Point.1 地形データの品質を確認する
地形データは、3次元地質・地盤モデルの目的や要求性能を満たす解像度のものを使用しなければなりません。作成する地形モデルの精度や利用限界を把握するために、地形データの品質を確認する必要があります。
図9.1-1 等高線で作成した地形モデルの例(引用:1)
図9.1-2 DEM地形モデルの精度の問題(引用:1)
■地形データ利用時の留意点
地形モデルを作成するためのデータには、等高線、DEM(digital elevation model)、レーザー測量データ等があります。以下にデータの概要を示します。
【等高線】
地形を表現する一般的な図法であり、データの形式としては、CADやGISのベクトルデータ、DMデータがあります。
これらの品質確認項目としては次のものが挙げられます。
①等高線の属性(標高値)の有無
②等高線の間隔
③等高線の単位
④等高線の作成方法
等高線から地形モデルを作成するには、ベクトルデータの等高線に標高値の属性が割り当てられている必要があります(図9.1-1)。また、等高線の利用に際しては、それがどのように作成されたものか、どの程度の精度を持つものなのかを把握しておくことが重要です。特に、等高線の間は何の高さ情報も無いので、等高線以上の精度をそれ自身から得ることができないことに注意する必要があります。むしろ、レーザー測量データから作成された等高線の場合は、等高線を使用するよりも、元のレーザー測量データを入手する方法を選ぶべきです。
【DEM】
決められた間隔で格子状に配列した標高データです。よく用いられるのは国土地理院発行数値標高モデル(5m,10m,)で、WEB(引用:13)で無償提供されています。DEMを利用する場合の品質項目としては次のものが挙げられます。
①DEMの解像度(格子間隔)
②元データ(グラウンドデータ)の密度
なお、DEMデータの精度は地表(グラウンド)データの取得精度以上のものは得られないことに注意が必要です(図9.1-2)。
【レーザー測量データ】
航空機や地上レーザースキャナで取得された標高データです。レーザー測量データを利用する場合の品質確認項目は、DEMと同様に、解像度と元データ(グラウンドデータ)の密度と精度になります。