6. モデルの引き継ぎ

6.1 引き継がれるべき情報

Point.1 3次元地質・地盤モデルの利活用や更新に必要な情報を引き継ぐ

3次元地質・地盤モデルは、モデル作成時点までの各事業段階の地質調査成果を基に作成されるため、次の事業段階におけるモデルの更新に備えた確実な情報の継承が重要です。そのためには、モデルの根拠となる地盤情報に加えて、モデル化の補間手法、使用ソフトウェア、地盤の物性値、モデルの不確実性、想定される地質・地盤リスク等のモデル更新に必要十分な記録を残す必要があります。

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図6.1-1 事業の進展に伴い更新される3次元地質・地盤モデルのイメージ(引用:1)

■3次元地質・地盤モデルの利活用に重要な情報を継承する
3次元地質・地盤モデルは、モデル作成時点までの各事業段階の成果を基に作成されて、次の事業段階へ継承されます。そのため、モデルの更新に備えた情報の継承が重要と考えられます。
 建設プロセスにおける事業段階のレベルがあがると、地質・地盤モデルの精度や信頼性への要求は高くなります。3次元地質・地盤モデルは、調査の進展に伴い既往調査データも踏まえて更新・継承されるバージョン管理が必要なデータと言えます(図6.1-1)。
 3次元地質・地盤モデルを継承させるためには、地質の形状・分布モデル以外にも、モデルの不確実性、想定される地質・地盤リスク、モデルの根拠となる地質調査データやモデル化時の補間パラメータ、モデル作成時の位置情報の座標系や使用ソフトウェア等の、モデルの更新に必要な情報について十分な記録を残す必要があります。

■空間補間手法の情報
3次元地質・地盤モデル作成に用いる補間アルゴリズムとパラメータの違いは、モデルの形状に影響を与える。アルゴリズム毎にモデルの形状は異なり(図6.1-2)、調整が必要なパラメータの値によってもモデルの形状は変化する。
 モデルの更新を想定し、アルゴリズムとパラメータ設定の情報は記録シート等で正確に記録して引き継ぐ必要がある

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図6.1-2 補間アルゴリズムによるサーフェスモデルの形状比較(引用:1)

■地質・地盤リスクの情報
地質・地盤リスクは「BIM/CIMモデル作成 事前協議・引継書シート」(引用:6)や、成果報告書内の「設計施工上の留意点」等で引き継ぎます。
 また、3次元地質・地盤モデル上での可視化やモデルから報告書情報へのリンク等により、直感的に理解しやすいリスク情報提示手段を活用すべきでしょう(図6.1-3,-4)。

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図6.1-3 トンネルにおける地質・地盤リスクの可視化イメージ(引用:1)

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図6.1-4 斜面点検における地質・地盤リスクの可視化イメージ(引用:1)