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4. モデル利用に際しての留意事項
4.2 モデルの信頼性
Point.2 3次元地質・地盤モデルの信頼性を向上させるのは地質技術者の役割である
3次元地質解析技術と土木地質図作成法は、基本とする地質学・地質工学の規則/構造/思想に本質的な違いはありません。そのため、地質技術者自身が地質調査データの品質を確保したうえで、科学的、かつ、合理的な解釈で3次元地質・地盤モデルを構築することが、3次元地質・地盤モデルの信頼性を向上させるといえます。
図4.2-1 3次元地質・地盤モデルの信頼性を向上させるイメージ(引用:1)
■3次元地質・地盤モデルの妥当性は専門技術者が判断する
地質は、地層そのものの成り立ちや後生的な断層・風化・変質、地下水等の作用により、分布・状態が複雑化するため、限られた地点の地質調査データだけで正確な地質・地盤のモデル化を行うことは困難です。3次元地質・地盤モデルは、3次元図化技術がいかに進歩しようとも、地質調査手法の精度や限界、情報の粗密等に起因する不確実性を多分に含んでいます。
そのため、地質技術者が下記の点に留意して3次元地盤モデルの妥当性を評価し、モデルの信頼性を向上させる必要があります(図4.2-1)。
①使用目的や要求性能に応じた地質調査データの「質」と「量」が確保されているか
②既存調査成果を用いる場合は、地質構造発達等の解釈が科学的に妥当であるか
③空間補間に際して、地質事象に合った適切なアルゴリズムを使用しているか
④作成したモデルに地質学的な矛盾がないか
⑤合理的な手順で地質・地盤モデルが構築されているか
以上の地質・地盤モデルの妥当性評価の詳細は「10.5」に示します。
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