3. 3次元地質・地盤モデルとは

3.2 3次元地質・地盤モデルの種類

Point.2 利用場面に適した3次元オブジェクトを使用する

3次元地質・地盤モデルは、点・線・サーフェス・ソリッドの図形要素を複合的に利用し、地質調査データと地盤モデルを表現します。地質・地盤リスク情報などを示す注記(アノテーション)は、3次元地質・地盤モデル上に重ねて表示することで、利用者の理解を助けることが可能です。このような図形要素や表現した3次元モデルは、一般にオブジェクトと総称します。

表3.2-1 3次元地質・地盤モデルに用いる図形要素とデータ構造の例(引用:1)

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■地質・地盤情報の形状表現

3次元地質・地盤モデルや3次元空間に表現した地質調査データは、電子データである3次元図形要素(表3.2-1)により構成されます。3次元空間上で地質調査データおよび地質・地盤モデルを表現するための図形要素を表3.2-2に示します。
 地質調査データは単一の図形要素で表現する場合と、複合的に用いる場合があります。例えば、ボーリングは、試験位置を点で、試験結果グラフを線で、ボアホール孔壁調査による不連続面構造をサーフェスで、柱状体をソリッドで表現します。利用目的によりこれらの図形表現を組み合わせて表現します。
 地質・地盤モデルについては、準3次元図面やパネルダイアグラムは線とサーフェスモデルの複合で表現します。地形面・境界面はサーフェスモデルで、地層はソリッドモデルで表現する。境界面や地層に割り当てられた物性は、サーフェス・ソリッドモデルにて表現します。
 以上の図形表現を用いて地質調査データと地質・地盤モデルを可視化した事例を、図3.2-1と図3.2-2に示します。

表3.2-1 地盤情報と図形要素の対応例(引用:1)

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Fig030201.png

図3.2-1 地質調査データを表現する3次元オブジェクトの例(引用:1)

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図3.2-2 地質・地盤モデルを表現する3次元オブジェクトの例(引用:1)

■リスク情報可視化手段としてのアノテーション
アノテーションとは、寸法、公差、注記、テキスト、または手動/外部操作の無い可視的な記号とされます(引用:2)。

3次元CADにおけるアノテーションは、ISO16792に規定されています。
 工業製品分野では、3次元単独図(3次元アノテーテッドモデル)の情報提示手段としてアノテーションが活用されています。3次元単独図とは、製品形状と製品特性(注釈、属性)を表した3次元モデルと、製品特性の注記及び管理情報を3次元モデルから独立した情報として表した図面(
引用:2)と定義されています。
 アノテーションの情報可視化機能を用いて、地質・地盤リスク情報を見落としなく、直感的な認識を可能にすることが期待できます(図3.2-3,3.2-4)。

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図3.2-3 トンネルにおける地質・地盤リスクのアノテーション表示例(引用:1)

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図3.2-4 斜面点検結果の注記(アノテーション)例