沖積-新第三紀層の3次元地質解析と杭の鉛直載荷試験実施事例

株式会社 東京ソイルリサーチ 

中越 光義  水江 邦夫  西村 祥  

 <概 要>

本報告は沖積低地における沖積層と新第三紀層の3次元地質解析を行うと共に,当該地で実施した杭の鉛直載荷試験装置および構造を3次元化して示した事例を紹介する。3次元モデルの作成にあたり使用したソフトはAutoCAD Civil3D AUTODESK),

GEORAMA for Civil3D (CTC 伊藤忠テクノソリューションズ)である。

1.対象地層の地質解析

当該地は海岸線に位置する沖積低地であり,新第三紀と沖積層の不整合面(河川侵食面)が形成される。地質解析のポイントは,この不整合面のモデル化と開析作用面の検討および各地層の分布の広がりの検討である。これらを踏まえ,3次元地層モデルを作成した(使用ボーリング21本)。

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3次元地質解析(本件における地質構造の分布を考慮する際の検討事項)

①新第三紀の凝灰質泥岩(H-1層)と堆積泥岩(H-2層)の分布範囲の想定
②不整合面の設定,波食または河川浸食などの開析作用による埋没地形の形成状態の想定
③沖積層(C層,A-s層,A-sc層)の堆積環境の想定

使用ボーリングデータ21本 地層確認最大深度GL-92m
使用ソフト:AutoCAD Civil3D (AUTODESK)  
    GEORAMA for Civil3D (CTC 伊藤忠テクノソリューションズ)

 

2.杭の鉛直載荷試験概要

杭の鉛直載荷試験は,支持層の鉛直支持力と中間層の周面摩擦力を把握する目的として実施した。3次元化することにより全体的な地層分布と試験杭との関係をイメージ化しやすい形で示した。試験対象とした地層は新第三紀層のH-2層(泥岩)と沖積層のA-sc層(沖積砂・粘土層)である。試験条件および,試験結果を以下に示す。

【試験条件】
先端支持力確認(対象層:H-2層 最大載荷10000kN)
周面摩擦力確認(対象層:A-sc層 最大載荷4800kN)
 この試験では,杭の先端支持力および周面摩擦力をそれぞれ単独で把握するために杭体に潤滑剤を塗布し,さらに鋼管杭を外側に巻いて対象外の地盤との摩擦力を極力低減させて実施した。

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載荷試験全体構成図

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先端支持力確認試験結果

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周面摩擦力確認試験結果

3.3次元モデル化の表現について

全体の概要は3次元モデルを使用した場合,イメージ化しやすい反面,縮尺などの検証が紙面上では困難となるため,注釈や属性の記載が重要となる。平面的な媒体で3次元モデルを表現する場合,2次元モデルとの対比などを行うことによって,理解度の向上が図れるものと考えられる。