Geomap3Dの紹介と建設ライフサイクルにおける適用事例
浪久 信
<概 要>
弊社開発の3次元地盤モデリングシステム・Geomap3Dの紹介と、Geomap3Dを用いた建設ライフサイクルにおける適用事例について報告する。
1.モデル作成のフロー
Step1:モデル初期設定
・モデルの作成範囲の設定
モデルの左下・右上の座標を指定する(図 1.1)。
10m四方の小領域から、50km四方の広域までの幅広い範囲のモデルを作成可能。
・モデルの層序の設定
層序には、堆積・浸食・貫入等の属性を指定する(図 1.2)。
Step2:標高点入力
下記の方法で、各層の上端標高を入力する。
・表形式入力
・平面図入力
・柱状図区分入力(図 1.3)
・断面画像からのトレース
図1.1 作成範囲の設定
図1.2 層序の設定
図1.3 柱状図区分入力
Step3:モデル構築
標高点より補間計算を行い面を作成する。
面からモデルを構築する(図 1.4)。
2.機能の紹介
図1.4 構築されたモデル
作成したモデルは付属のビューアで閲覧する。基本操作に加え、任意断面(図2.1)・水平断面(図2.2)の表示、点データの読み込み表示(図2.3)、柱状図表示(図2.4)、DXF形式での出力(図2.5) 、地層ごとの体積計算(図2.6)が可能。
図2.1任意断面表示
図2.2 水平断面表示
図2.3 点データ
図2.4 柱状図表示
図2.5 DXFファイル
図2.6 地層の体積計算
3.建設ライフサイクルにおける適用事例
住宅地造成工事の各段階でのモデル作成の事例を紹介する。
各段階で作成したモデルを以下に示す。
①計画段階のモデル
造成工事前の情報より、地表面、各地層の上端標高を取得しモデル構築を行った(図3.1)。
図3.1 計画段階のモデル(自然地形)
②施工段階のモデル
図3.1のモデルの造成時の地表面より上を削り(切土)、谷部を盛土で埋めて再度モデルを構築した(図3.2)。造成地での切土部・盛土部の分布状況を確認することができる。
図3.2 施工段階のモデル
③維持管理段階のモデル
住宅地開発後の航空写真を透過し重ねた(図3.3)。
航空写真と地盤モデルが対比できるため、住宅と切土・盛土等の地下構造の確認が容易に行える。
図3.3 維持管理段階のモデル
4.まとめ
建設ライフサイクルの適用事例として、住宅地造成工事を対象としてGeomap3Dの活用事例を紹介し、各段階のモデルの比較が容易に行えることを確認した。