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10. モデリング

10.6 モデル化の限界

Point.6 3次元モデル化の限界を知る

3次元地質・地盤モデルはソフトウェアの表現性能やモデル自体が持つ限界を理解したうえで利用しなければなりません。

Fig100601.png

図10.6-1 見せかけのポリゴンメッシュの表現(引用:1)
(上段:シェーディング(レンダリング)、下段:真のデータ)

■表現性能の限界
サーフェスモデルの表現性能はデータ構造(表3.2-1)に依存します。細部の曲面表現は、NURBSサーフェスのように正確な曲面として扱えるものや、レンダリング処理によりスムージングした見せかけだけの表現があります(図10.6-1)。
 また、ソフトウェアの機能・性能、ハードウェアのスペックで3次元地質・地盤モデルの表現や分解能が制限されます。これはシステムに依存する限界であるので、ソフト・ハードの性能が向上すれば、改善される可能性はあります。

Fig100602.png

図10.6-2 土木構造物モデルのLOD設定例(引用:19)

■限界への対処法としてのLOD
地質・地盤モデルの利用限界を簡便に示す手段として、構造物モデルの詳細度を示すLOD(Level of Development
/Detail)が参考になります。
 LODは、実用面を考慮して必要以上の作業負荷を与えないように、目的に合致する最適なモデルのレベルを規定する仕組みです(図10.6-2)。しかし、構造物は規格を規定できるのでLODを設定し易いのですが、地質・地盤の場合は、見えない地下空間における存在を予測・推定するものです。構造物とはモデル化へのアプローチが本質的に異なるので、LODの適用には注意が必要です。

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