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10. モデリング

10.3 補填データ

Point.3 補填データの役割を知る

地質境界面等のサーフェスモデル作成に際し、本来のデータだけで補間した形状が不自然であれば、補填データを追加してサーフェスモデルの形状を自然な形にするようにコントロールする必要があります。補填データの利用には、地形・地質学的な考え方が必要になります。

Fig100301.png

図10.3-1 限られたデータによる空間補間モデルの違い(引用:1)

■補填データが必要になる場面
空間補間はデータの無い空間の地盤形状(あるいは地盤物性)を、限られたデータから推定する手段であるため、地質学的に不自然な結果を生じやすくなります(図10.3-1)。地質調査の情報量(入力データ)が不足する場合に発生する現象ですが、その程度は空間補間法の特性にも影響されるので注意が必要です。

■補填データの適用方法
補填データが必要になるかの判断は、補間計算を行い出力されたサーフェスモデルを3次元可視化やコンター表示して明らかになります。
 例えば、埋没谷のように地形学的な法則が適用できると判断できれば、仮定の河川勾配線(谷底線)を補填データに用います(図10.3-2,-3)。補間手法の限界で意図した形状にならない場合にも補填データを使用します(図10.3-4,-5)。
 補填データには、地形線(谷底線、遷急線、遷緩線等)や地形面、直線性・定傾斜を保つための直線・平滑面等より生成したポイントデータを用いることが少なくありません。なお、補填データを使用した場合は、後のモデル更新に配慮し、使用した方法と根拠を記録する必要があります。

Fig100302.png

図10.3-2 地質モデルの補填データによる修正例(引用:1)

Fig100303.png

図10.3-3  補填データによる地質境界面の事(引用:18)

Fig100304.png

図10.3-4 谷形状を修正するための補填データ例(地形面モデル)(引用:1

Fig100305.png

図10.3-5 尾根形状を修正するための補填データ例(地形面モデルの例)(引用:1

■地質対比の方法
地質対比作業では地質調査データを同一空間に重ね合わせることで総合的に判定する必要があります。従って、地質調査データは、地質図、地質断面図、示準ボーリング、ボーリングの試験情報(原位置試験、検層、室内試験結果)、物理探査結果等を、3次元配置(あるいは2次元配置)して地質対比の判断材料とします。
 地質対比の作業中に地質情報に疑義が生じ判断に迷う場合は、原本に遡り地質情報を再評価する必要があります。原本とは、柱状図であればボーリングコア、地質図であればルートマップであり、疑わしければ対比に用いたデータの修正や棄却をおこないます。その際は、修正や棄却の理由を記録する必要があります。
 なお、地質対比方法のルールは、後の更新作業に配慮し、記録する必要があります。

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