液状化検討を対象とする3次元地質・地盤モデルの利活用例

(株)ソイル・ブレーン 

石黒 創  浴坂 公博 

 <概 要>

 臨海埋立地の化学工場で設備の耐震化を進めるにあたり、工場内の液状化危険度区域の抽出を試みる業務を受注した。 
 既往データも含めて集約したボーリングデータを3次元的に表現することで、液状化層の分布・液状化の危険度が高い区域を容易に判別でき、その抽出結果を報告した事例を報告する。

1.はじめに

 工場内で、機械ボーリング調査・室内土質試験及び既存資料収集・整理等を実施し、構内を100mメッシュの24ブロック(4×6)に区分して各ブロック毎に液状化の判定評価を行い、敷地全体の液状化危険度マップ作成を行うことが目的であった。
 既往データとして52本のボーリングデータを受領し、ボーリングデータや土質試験データの無いブロックで6本のボーリングを行い、データを補完した。
 液状化の危険度の高い=特定の地層(土質)が厚く分布する区域であったことから、集約したボーリングデータを3次元的に表現することで、液状化層の分布・液状化の危険度が高い区域を容易に判別でき、その結果を報告した。

2.当初成果

 顧客の要求する成果として、敷地全体の液状化危険度マップを作成した。

 危険度の高いブロックに卓越する液状化する地層の分布を3次元モデル化したらわかりやすいのではないか?
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3.モデリング計画

<モデル作成の環境>
  ・ボーリングデータ:既往52本、新規5本
  ・モデル作成範囲:
     600m×600m
  ・3次元モデル作成:
     五大開発 MakeJiban
  ・地表面データ
     国土地理院 基盤地図情報

図1 液状化危険度マップ

4.資料収集と3次元データ化

 1964年から近年までの既往ボーリングデータの使用においての作業

  ①ボーリング柱状図のデータ化
  ②位置、高さのチェック
  ③土質のチェック
  ④地層のチェック
・高さの不一致(KBM、C.D.L、T.P.表記の混在)     ⇒T.P.への換算および地理院地図よる地盤高さ推定を行った。
・調査年代、調査会社による土質区分、地層区分の相違  ⇒土質試験結果のある柱状図を用いて見直しを行った。

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図2 各ボーリングデータの土質区分表示

色調、N値、記事等から9層に大別した。
あまりにも周辺データと異なる地層区分の柱状図は不採用とした。

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図3 各ボーリングデータの地層区分表示

5.モデル化

 液状化に対する危険度が高い地層(埋土、沖積粗粒土層)の分布に特化してモデル化し、表示を行い、粘性土層については所々丸めてモデル作成を行った。

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図4 3次元表現例

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図5 3次元モデルの断面例

6.まとめ

 30~40年前の土質柱状図を基にしたモデル化は大変困難であった。 
 当地に分布する複数の粘性土層のレンズ層は、今回求められていなかったためモデル化しなかった。しかし、圧密沈下についての検討に着眼点を置いた場合には沖積粘性土層の分布に着目したモデル化が必要となる等、別目的では意図が異なることもあるため3次元表現データの取扱いには留意が必要と感じた。

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